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5/6(tue) NAMBA HATCH LIVE REPORT

仙台編はこちら

文:奥村明裕
写真:半田安政 (Showcase) , Yukihide "JON..." Takimoto

 待ちに待ったlocofrank主催フェス=『FOUR SEASONS FESTIVAL’14』が遂に開催!  3回目を迎える今回は、この日の大阪なんばHatch公演に加え、震災以降locofrankが幾度も通った仙台でも開催(5月18日@仙台RENSA)と、新たな試みのもと行われることに。もうひとつ新たな試みということで言えば、大阪公演は初の2ステージ制が導入され、なんばHatchのメインステージをSUMMER STAGE、階下3Fの物販スペースにはサブとなるWINTER STAGEが設けられ、SUMMER STAGE終了後、即WINTER STAGEでライブがスタートと白熱のアクトが矢継ぎ早に展開。筆者的には上へ下へと走り回っていささか大変でしたが(苦笑)、以下、タイムラインに添って一挙レポート!


 ゴールデンウィーク最終日の5月6日、なんばHatch周辺には早くからバンドTシャツを着込んだキッズが続々と結集(その数は最終的に1,800にまで膨れ上がることに!)。


定刻の午後3時を迎える頃には、SUMMER STAGEにイベンター清水音泉の田口さんが登場し、諸注意事項をユーモラスに伝えてどっかんどっかん笑いを取って、locofrank・木下正行にバトンタッチ。
その木下、「しゃべりにくいわ!」と苦笑いしつつ出演アクトを一組ずつ紹介し、「東北にパワーを持って行きたいという気持ちでやらせてもらいます。楽しむ用意はできてますか!? アー・ユー・レディー!? 」と呼びかければ沸き上がる大歓声。


早くも戦闘態勢万全のなんばHatchを、トップバッター・ROTTENGRAFFTYが「This world」「ill-usion」など重量級ナンバー連続投下でいきなりレッドゾーンに叩き込んでいく。「俺たちがROTTENGRAFFTYだ! 初っ端からブッ飛ばして行こうぜ!」(NOBUYA)、「ヤリたいようにヤっちまえ!!」(N∀OKI)と2MCが観衆をアジりにアジって、続く狂ったハードコア祭囃子=「響く都」では誰もが踊る阿呆状態でヒートアップ。 聴き手を鼓舞して止まないめくるめく曲展開、でもって歌メロはやたらキャッチーという、高い機能性と即効性を誇るロットン・サウンドが絶えずフロアを煽動し、終盤も「ラスト2曲、飛ばしていこかオオサカ!? ナニワ魂見せてくれよ!」と、「銀色スターリー」「金色グラフティ」の強烈コンボで沸点突破。「(ロットンの)ライヴの爆発力、スゴいよ」というlocofrank・木下の言葉どおり痛快極まる絶頂アクトだった!



ロットンがステージを去ると同時に、階下のWINTER STAGEにlocofrank・森 勇介が登場。 軽妙な語り口で出演アクトを一組ずつ紹介し(直属の後輩・3styleだけはノーコメント・爆)




呼び込まれた東京HCシーンの暴れ馬・THINK AGAINが冒頭の「STRUGGLE IN MENTAL CONFLICT~心を歌う」から、あらゆる障壁をなぎ倒していくような高速爆音ビート、そしてハイトーン&デスヴォイスという好対照を成すスクリームですぐさまフロアを過熱させる(とりわけYELLOW MONSTERSが強い衝撃を受けていた模様)。 「誰にも媚びず、誰にも恥じず、俺たちらしく生きていくのさ!」(CHIN WIL)と熱い前口上でも観る者全ての闘争心を掻き立て、爆速ナンバー「DEEP WOUND」ではクラウドサーフが続出。25分という短い時間ながら終始フルスロットルのアクトを繰り広げた3人に惜しみない拍手が贈られた。

 続けてSUMMER STAGEに、2番手となるASPARAGUSがオンステージ。「オーケー、ヒア・ウィー・ゴー! 俺がヒア・ウィー・ゴー!」とシノッピがハイテンションに呼びかけて、冒頭「WANDER AROUND」から技巧的にしてアッパーな演奏で畳み掛ける。続く「VOLT-AMPARE」ではベース・ナオウの手拍子が盛大なハンドクラップを誘い、場内のヴォルテージは急上昇。ゴールデンウィークの渋滞を見越して夜走りで大阪入りしたという3人だが、そんな疲れを微塵も感じさせない鉄壁のアンサンブルはこの日も圧巻だ。
「まぁスゴいよ、演奏から忍さんのトーク力から」とのロコ木下の紹介通り、「今日は(時間が)押しちゃダメだから。カラオケみたいに『すぐ出ますから! すぐすぐすぐ!!』って言ってもダメだから(笑)」(シノッピ)とMCでも客席沸騰。最終曲「FALLIN' DOWN」ではカラフルな三声のコーラスワークを響かせ、アウトロでシノッピはアンプをフルテンにしてステージ下へ!(そして、メンバー紹介しつつ「俺シノブ! 俺シノブ! 俺シノブ!」と激しく自己主張・笑)。終始ハイテンション&ハイスペックなアクトで会場の隅々に笑顔を広げたASPARAGUSだった。




 直後のWINTER STAGEには、一昨年773Four RECORDSより日本デビューを飾った、locofrankの韓国の盟友(あるいは悪友?)、YELLOW MONSTERSが登場。イ・ヨンウォン(G&Vo)、ハン・ジニョン(B&Vo)、チェ・ジェヒョク(Ds&Vo)という、かの国のパンク・シーンではスター的存在の3人は初っ端から熱血的なステージを繰り広げる。 ヨンウォンは「Hey everyone, let's GO!!」「make some noise!」と英語で幾度も呼びかけ、様子見のお客さんも巻き込んでオーバーヒート。場内に沸き上がるコール&レスポンスを聴いていると、国同士のイザコザがナンセンスに思えるくらい、実に人間的な、心の通った交歓が感じられた。“音楽はあらゆるボーダーを超える”――そんなテーゼを全力で証明してみせたイエモンだった。



 午後5時10分には、30年以上のキャリアを誇るこの国のハードコア・レジェンド=the原爆オナニーズがSUMMER STAGEに降臨。「ウィー・アー・原爆オナニーズ!」との宣言も高らかに、TAYLOWは冒頭「GO GO 枯葉作戦」からマイクをブン振り回しながら鬼気迫るパフォーマンスを繰り広げる。 「NO NO BOY」では「ピットを作りましょう!」と呼びかけ、フロアにマイクを向けてオイコールを煽るTAYLOW。一人ひとりを指さして、何度となくマイクを向けるその姿は、新たな世代に何か大切なものを託すようだった。後方ではEDDI(B)とJOHNNY(Dr)がしなやかにうねるようなグルーヴを量産しながら、「なんにもない」「発狂目醒ましくるくる爆弾」など代表曲を惜しみなく投下。サークルピットで応戦するフロアに「アンタたち最高だわ!」とTAYLOWも笑顔を見せ、過激な表現ながら最後には奇妙に心地よい、ピースフルな一体感が場内を満たしていたのだった。



 再び階下のWINTER STAGEに駆け下りると、ちょうどこの日の紅一点アクト=片平里菜のライブが始まるところ。福島県在住のシンガーソングライターとして、locofrankと馴染み深い「東北ライブハウス大作戦」のイベントにも出演し、その縁で今回参加するに至ったそうだが、荒ぶれ者揃いの『FSF’14』にギター1本で乗り込んでくるとは、なかなかの肝っ玉女子である。 「amazing sky」などを伸びやかに届け、「福島県出身、片平里菜と言います」と自己紹介。「若干アウェイなのかなと思っていたんですが(笑)、パンクスに負けずにやっていこうと思うのでよろしくお願いします! みなさん一緒に歌ってくれてますか?」とシンガロングや手拍子を誘ってみるみる場内を掌握。スウィートかつチャーミングなハイトーン・ヴォイスは、この声さえあれば他になにも必要ないと思わせるほど力強くもあって、表現者としての度量とポテンシャルをいかんなく響かせたカタリナだった。


 代わってSUMMER STAGEに登場したFear, and Loathing in Las Vegasは、目も眩むようなフラッシュライトと共にオープニング「Acceleration」からお立ち台で煽りまくるわ、メンバー全員がステージ狭しと駆けまわるわ、ギターはなぜかピカピカ発光してるわで、観ていて「ほぇ~!」と圧倒されてしまうほど爆発的かつアグレッシヴなパフォーマンスで攻め立てる。 続けざまに「Scream Hard as You Can」→「In the End, the Choice is All Yours」と畳み掛け、壮絶なヘッドバンギングを巻き起こす。サウンドしかりパフォーマンスしかり、すべてが過剰にしてアゲアゲなラスベガス流エンターテインメントは、フロア一面を一斉にバウンスさせ、沸き立つような熱狂を巻き起こしていったのだった。とっくに沸点を越えながらも、「大阪のみなさん、イケますか!? もう一段テンション上げていくから!」(Sxun)、「ラスト! お前ら全員ついてこいよー!!」(So)と終盤はさらにスパート。全盛期のジュリアナ東京かと見紛うような場内には、最後まで半端ない狂騒が渦巻いていた。



 夕刻を迎える頃、WINTER STAGEは最後のアクトを迎える時間に――。「コケたら次はない」(locofrank・森 勇介)と、えげつないプレッシャーを受けながら(笑)773Four RECORDSの若頭・3styleが意気揚々と登場。 「今日は戻って来ねえぞ! 歌えよ!!」(Ryotin)と熱いアジテーションと共に、「Memory」など起爆力に満ちた2ビートで畳み掛ける。ドラムス・Naokiも「なんばHatch、全力でかかって来い! もっともっと行けるだろ!?」と檄を飛ばし、過剰な熱量で突っ走る3人にフロアも熱烈なモッシュ&ダイヴで応戦。「大事な兄貴なんで、怖いけど(笑)この歌を――」と心からの「Keeping best my friend」をlocofrankに捧げ、「ラスト2曲! 全部出せー!!」(Ryotin)と最後まで闘志とエモーション剥き出しで駆け抜けた3style。きっと、次回も『FSF』の舞台に立っている、ハズ(カミ倒したMCはどうか大目に見たげて……笑)。


 フルハウスのキッズが待ち受けるなか、19時20分にはKEN YOKOYAMAが登場。高々と「東北ライブハウス大作戦」の旗を掲げ、「locofrankのファンでこれ知らない人はいないでしょ? 勝手にテーマソング!」と「Let The Beat Carry On」から一気呵成にキックオフ。続けざまに「Eight Hour Drive」「Can't Take My Eyes Off Of You」と畳み掛けては大量のクラウドサーフを巻き起こしていく(セキュリティの皆さんテンヤワンヤ!汗)。 オーディエンスとの距離がもどかしいとでも言うように、ケニーはマイクスタンドをステージ前ぎりぎりにまで持ち出し、ステージに跪くように歌い、遂にはマイクを投げ入れてフロアは大熱狂&大合唱。そんななりふり構わぬエモーション全開の熱演を繰り広げながら、ほろ酔い加減のJun Greyをイジっては爆笑を巻き起こし、ステージに座って「Over The Rainbow」をムーディーに爪弾くなど、圧倒的なマンパワーで誰しもを魅了する。終盤も「俺ひとり歌ってんの寂しくてさ、みんなで歌ってくれよ!」とステージ上のマイクを次々に投げ入れて絶頂へと駆け上がり、最終曲「Believer」をみんなで盛大にシンガロング! 最高潮のムードのなか主催者にバトンを継いだKEN BANDだった。

過熱しきった場内を一旦クールダウンさせるように、しばしの転換時間を置いたのち、主催者であるlocofrankが万雷のクラップのなかSUMMER STAGEに上る。


「最後やぞ! もう終わるぞ! 行けるとこまで行くぞー!!」と「東北ライヴハウス大作戦」の前掛け姿の木下が一喝、そして文字通り三位一体のアンサンブルで「survive」「Mountain range」「Before It’s Too Late」とアクセルべた踏みで猛進する。

先陣切って激しいヘッドバンギングを繰り出し、全身全霊でギターを奏でる森(早々に弦切っちゃうほど!)。骨太なベースと力強くも伸びやかなヴォーカルを響かせる木下。そして、楽屋ではしゃべり倒していたTatsuyaもここではスティックを振り回して饒舌なビートを量産――と、3人はありったけのパワーと熱情を注いだパフォーマンスで沸き立つような熱狂を立ち上げていく。全存在を賭けるようなエモーショナルな音像は、バンドに、個人に、音楽に、引いては人生にガチで向きあい続けてきたバンドだけが鳴らせる類のものだろう。15年以上に及ぶキャリアは伊達じゃないのだ。

MCでは「長丁場、本当にお疲れさまです!」と参加者の労をねぎらいつつ、「散髪してパーマあてたら、陣内(智則)度が増してん」と爆笑を誘う木下(確かに瓜二つ!笑)。そして、「俺ら3人、今年33(才)になります。だけど、まだまだ33。まっだまだlocofrankやりたいし、知らないことだらけよ」と野心も覗かせ、大きな喝采を浴びていた。

「ロコ大好き!」「陣内~!」とフロアのそこここから歓声が飛ぶなか、「こうやって1,800人以上の人が来てくれて、みんなのお陰で最高の一日にできました。本当にありがとうございます! 」と心からの感謝を届け、本編ラストの「STARLIGHT」までむせ返るような熱気と絶頂感が場内を満たしたのだった。


アンコールでは「もう一回、火ぃ付けたるわ!!」(木下)とキラーな代表曲「START」で再び絶頂へ! その直後に木下はベースとマイクスタンドを持ち出し、なんと、降り立ったフロアでキッズに取り囲まれながら「ONE」を熱唱しだしたのだ。「行くで! ひとりじゃないぞ!!」と熱く呼びかけ、それまでフロアを満たしていた熱気は温かな一体感へと変容し、Hatchは眩いばかりの祝祭感に包まれた(みんながみんな輝くような笑顔!)。

そして、最後は盛大な一本締めで大阪篇はフィナーレ。「ここでもらったもんをちゃんと繋げるから!」(木下)と誓って、『FSF』は遠く仙台へとその舞台を移すのだった。