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5/18(sun) SENDAI RENSA LIVE REPORT

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文:奥村明裕
写真:半田安政 (Showcase) , Yukihide "JON..." Takimoto

白熱の大阪篇から約2週間後の5月18日(日)、『FOUR SEASONS FESTIVAL '14』2デイズの最終公演が仙台RENSAにて開催された。当日は見事な五月晴れに恵まれ、ちょうど恒例の仙台・青葉まつりパレードが行われていて、市内は大変な賑いに。会場の仙台RENSAも午後3時に開場されるとすぐさまたくさんの来場者でお祭りムードに沸き、物販でTシャツやCDを買い求めたり、及川食堂でサバだしラーメンに舌鼓を打ったりと、みんな思い思いに特別な一日を楽しんでいるようだ。

 開演予定の16時を迎える直前には、locofrank・木下正行が大きな歓声のなかステージに登場。出演バンドを一組ずつ紹介しつつ、参加者へ想いの丈を伝える――「全バンド、東北に気持ちが向いてるバンドです。音楽とかライヴは楽しむのが前提。それでいいねん。せやけど、いろんな気持ちがあって(フェスを)やれてるってことはわかっていただきたい。何かに繋がるもの、何かをはじめるきっかけになるもの、絶対生まれてるから。君たちも生んでください」。そして「今日は一日よろしくお願いします! 終始笑って帰れよ! 笑われへんかったヤツの分まで笑って帰れよ! アー・ユー・レディー!?」と威勢よく呼びかけて『FSF'14』仙台篇が遂に開幕!

 間髪置かず登場したのは、トップバッターを託されたSTOMPIN' BIRDだ。「仙台行こうぜ! 神奈川県代表、STOMPIN' BIRD!」(ヤス)、「STOMPIN' BIRDが始まるぜー!」(TOM)とフロント2人が前のめりにアジテートして、オープニングナンバー「Brandnew World」からエモーション全開で疾走する。続く「We Don't Care」でもヤスはマイクスタンドごと持ち出して「かかって来いよ!」とオーディエンスと真っ向ぶつかり合って、ガチンコな肉弾戦が繰り広げられることに。「これぞライブバンド!」(locofrank・木下)という賛辞に違わぬ、圧巻のスタートダッシュだ。「こんばんは、“これぞライブバンド!”でおなじみのSTOMPIN' BIRDです。ハードル上げるよね、アイツね(笑)」(TOM)と自嘲しながら中盤も快鳥に…否、快調にかっ飛ばすストンピン。「Weekend Story」「Hurry Up」などアッパーチューンを連発してはパーティの熱を高め、フロア前方は終始激しいモッシュ&ダイヴで沸騰。呑気にバード・ウオッチングしてるヤツなんていないくらい、RENSAを丸ごと巻き込んでブチ上がるステージは、誰にも邪魔されることのない、僕らだけのワンダーランドへの痛快な大脱走劇を見るようだった。最高の景気づけアクトでした!

 続いては、鳥つながりで選ばれた(?)ハードコアシティ・柏からの刺客、kamomekamome。「久しぶり仙台! 行こうぜ!」と呼びかけ、火を噴くような「ナイーブレターズ」の轟音と共に向達郎はステージから身を乗り出してシャウト。 饒舌なリフで攻め立てるツイン・ギター、ヘヴィかつ呪術的ベースライン、嶌田の鬼神のごときドラミング(ステージ袖でTatsuyaも釘付け!)と、Delinger escape plan顔負けの超絶的バンド・サウンドは、時に観る者を身動ぎもできないほど圧倒し、時に壮絶なモッシュ&ダイヴに駆り立てていく。大きな体躯を活かした勇猛なアクション、そして断末魔のようなシャウトと高らかなメロディを駆使する向の巧みなヴォーカリゼーションには拳を掲げずにはいられない。  「この間、超お世話になった人が死んで――」と急逝してしまったUNITED・横山氏を悼みつつ、「頼むぜ、みんな生きろよ。何があっても生きてりゃなんとかなるんだから。大変な世の中だよ、でも生きていこうぜ!」とMCでも熱く呼びかけ、中盤以降も「頭の中」「ヴァンパイア」など恐るべき集中力で幾度も臨界点を突破。locofrankに対しては「アイツら、ああ見えて意外と人間できてるから(笑)。凄まじいテクニック持ってる、とんでもない歌唱力持ってる、お客さんをひとつにまとめる力がある――3拍子揃ったバンドはなかなかいない」と最大級の賛辞が届け、終盤も「アガったもん勝ちだぜ!」とハードコアが何たるかを体現するような有無を言わせぬアクトを展開。ヴァイオレントでありながら温かなユニティ感に満ちた轟音を全身に浴びることは、言うまでもなく至上の体験だった。


 フェスのちょうど折り返し地点でステージに上るのは、地元仙台のハードコア・シーンの雄=SPIKE SHOES! 「今日は街の外も中もお祭り! ここをいちばん熱いお祭りにしましょう!」とフロントのヨネダが呼びかけ、スラッシーな高速ビートと共に急発進。中間地点をすっ飛ばして、瞬く間に絶頂へと駆け上がっていく。続く“バベル”でヨネダは「これがオールドスクール・ハードコアパンク!」とフロアにマイクを突き立て、そのままダイヴ! ツイン・ギターかつツイン・フライングVという編成はサウンドのみならず視覚的なインパクトも大で、ヨネダのハイジャンプと共にキッズを熱烈なサークルモッシュに駆り立てた。 「locofrankとSAKくん、ありがとうございます! 騒がしくてすいませんけど(笑)、気持ちは一緒だ。仙台のバンドです。よろしくお願いします!」と束の間MCで感謝を届けた後も、甲高いシャウトとデス・ヴォイス、そしてカオティックな爆音で猛スパート。次の瞬間には、 耳から服用する合法ドラッグとでも言うようなダビィなグルーヴが聴く者を酔わせ、多彩な音楽性を丸呑みして吐き出した変幻自在なアンサンブルで幾度も最高沸点を更新。勢いありすぎて10分ほど巻きでフィニッシュしてしまったほど(笑)、それは痛快極まるステージだった。

 しばしの転換タイムの後、ネクストアクトが登場……と思いきや、「Lifetime Respect」に乗って伝説の“シャズナ(横山健氏命名)”ことlocofrank・Tatsuyaがのりのりでオンステージ(温かいお客さんのおかげでムダに盛り上がりました・笑)
「ウチの木下がすっかり言い忘れたことがあって、予定になかったけど出てきました」と、この日出店した「ライヴハウス大作戦」ブースなどを紹介。そして、「今日という日は今日しかございません。最後まで行けますか!?」と呼びかけてMONGOL800をイントロデュース。


小躍りしながら登場したモンパチは、「遊びましょ~!」(キヨサク)と呼びかけていきなりの「あなたに」投下! <♪あ~な~た~に、会いたくて~ぇ>と当然フロアは大合唱に沸き、さらに「今日は宴じゃ! 宴じゃ!」と続く「PARTY」でも一体感はうなぎ登り。瞬く間に場内をひとつに繋いでみせたモンパチである。  「アツいぞ仙台! 実は暑さに弱いMONGOL800です(笑)」(キヨサク)と笑わせながら、「(次の)locofrankの前に、全部力を使い果たしてください。ガチンコで遊んで行きましょう! いけるか仙台!?」と焚き付けて「Real Life」、そして「Oh Pretty Woman」のカバーを熱演。アッパーなサウンドながら温かなヴァイブスが場内いっぱいにスマイルを広げる(この感じ、モンパチならではだなあ)。その後にはlocofrankからのリクエストに応えて予定にはなかった「face to face」をプレイ。終盤も「小さな恋の歌」など特大のシンガロングを巻き起こしたモンパチ。10月の主催フェス「What a wonderful world」へも期待膨らむ、心底楽しいステージだった。

 時刻は午後8時――いよいよ『FSF’14』 2デイズ最後のアクトとして、主催者・locofrankがステージに登る。
フルハウスの観衆と出演者たちが見守るなか、「survive」を高らかに歌い上げる木下。そして、「行こうぜ!!」とバンド一丸の爆発的アンサンブルで猛進! 一人ひとりを指差して「もっと見せてくれ!」(木下)と、 「Mountain range」「Before It's Too Late」とメドレー的に畳み掛けては場内のヴォルテージを高めていく。とにかくこの夜は3人の気合いが半端じゃなくて、ありったけのエネルギーと気力を叩きつけるように音を掻き鳴らす姿には思わず拳を握りしめずにはいられなかった。なぜこれだけの錚々たるメンツが呼びかけに応えて顔を揃えたのかは、ステージを観れば一目瞭然だ。

 これは後で知ったことなのだけれど、実はlocofrank にとって大阪篇でのライヴがいまいち納得のいかない出来で(オーディエンス的には全くそんなふうには見えなかったのだけれど)、PAの“先輩”こと西片氏に発破をかけられたこともあって冒頭からいつもにも増してフルスロットルだったのだそう。
もちろん、ここが東北であるということも、3.11の震災以降、復興支援にも尽力してきたlocofrankの気持ちを掻き立てたことは想像に難くない。
「よそ者の、大阪の俺らがなんでここまで来たか……。元気な東北を見るためや!!」(木下)と熱烈に呼びかけ、何かに突き動かされるようにモッシュ&ダイヴに沸くフロア――そんな両者の熱く濃密な交歓がRENSAを幾度も絶頂へと導いたのだった(個人的には、木下のこんなMCも心に響いた――「大きいことは言われへん。でも、どんな状況だろうが音楽は絶対元気出んねん。政治家が何を言おうが、ナメんな。音楽は絶っ対、力になるから。小さい子らに少しでもええ未来を渡そうぜ! 幸せになれよ!!」 )。

 終盤も「BE FULL」など闘志剥き出して突っ走り、「東北から何かが始まりますように! 約束やぞ、またやろうぜ!!」と本編ラスト「START」では沸点越えの熱狂が立ち上がる(マジ半端なかった!)。むせ返るような熱気の中、アンコールで再び登場したメンバーはカラーボールをぽーんと投げ入れ(キャッチした方には出演者のサイン入りポスターがプレゼント!)、「ぜひ来年も、東北でこれをやりたいです!」と早くも次回開催を宣言(!?)。


そして、「何度も東北に越させてもらってるけど、逆に俺らが元気もらってんねんな。何ひとつ恩返しできてへんから、これからも東北で面白いことをやりたい。locofrankでよければナンボでも力貸すから!」と想いの丈を語って再び「CROSSOVER」で猛スパート。しかし、終始攻撃的だった本編とは違って時おり3人は笑顔も見せ、温かなヴァイブスが生まれるなか「独りやないぞ! ひとつやぞ!!」とラストナンバー「ONE」へ。イントロから場内はハンドクラップに沸き、木下は最前列にマイクスタンドを持ち出して熱唱。遂には喜びを弾けさせるようにいくつものサークルがフロアに生まれ、とびきりハッピーな一体感と共にクライマックスへ。「どうもありがとうございました!」と3人はステージ前で深々とお辞儀、そして盛大な一本締めで『FSF'14』は大団円となったのだった。




来年も東北で再会できることを期待して、ここで得た力と思いを糧に、普通の日々を生き抜いていこう。それぞれの持ち場で、精いっぱいに。



 

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